A型肝炎

原因

A型肝炎ウイルスに汚染された食物や水などを摂取することで感染する経口感染や、A型肝炎患者の糞便から感染する糞口感染が主な原因の急性肝炎です。よって約3割の事例で家族内に2次感染を起こします。また、近年は性行為による感染も増加しています。
A型肝炎ウイルスは、85℃で2分間加熱すると死滅します。

症状

潜伏期間は2~6週間であり、発熱を前駆症状として食欲不振や倦怠感の後に黄疸などの症状があらわれ、1~2ヶ月の治療が必要です。また、重症例では1ヶ月以上の入院治療が必要になる場合もあります。さらに、肝外合併症として、急性腎不全、貧血、心筋障害などの報告例もあります。

致死率は0.1~0.3%でありますが、年齢が高いほど重症化し、50歳以上では1.8%に達します。

海外渡航時の注意点

経口感染する感染症は、たとえ数日間の短期滞在であっても感染する可能性があります。
A型肝炎ウイルスは世界中に分布しており、途上国で蔓延しているだけでなく、先進国でも流行することがあります。2002年に中国において日本人渡航者の集団発生、2009年からオーストラリア、フランス、オランダなどでセミドライトマトに関連した集団発生、2012~2013年には北欧で冷凍イチゴに関連した集団発生、2016年にはハワイでも集団発生しています。
以上から、途上国だけでなく、先進国へ渡航する際も、A型肝炎の予防を心掛ける必要があり、一番の予防策としてワクチン接種が推奨されています。

ワクチン接種と同時に大切な予防法

  1. 水道水、氷は飲まない。例え一流ホテルであってもリスクはあります。ミネラルウォーターなどを飲むようにしましょう。
  2. 生野菜、カットフルーツは原則食べない。
  3. 野菜、魚介類などは加熱したものを食べる。
  4. 屋台など衛生状態が悪い場所での飲食はなるべく避ける。

A型肝炎のリスクのある地域

A型肝炎リスクのある地域マップ

参照:https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name01.html

取り扱いワクチン

国内承認ワクチン
  • エイムゲン(Meiji Seika ファルマ株式会社)※お取り寄せにつき、ご相談ください
未承認ワクチン(輸入)
  • AVAXIM(Sanofi Pasteur社)※1回で抗体が付きます
  • Havrix(Glaxo Smith Kline社)※1回で抗体が付きます
  • Twinrix(Glaxo Smith Kline社)
    ※こちらはA型肝炎・B型肝炎混合ワクチンです。
    ※アメリカでは18歳以上、ヨーロッパでは16歳以上が適用になります。

未承認ワクチンのAVAXIM・Havrixは、初回接種のみの場合抗体持続は1~2年程度です。

ワクチン接種スケジュール

ワクチン名 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月 追加の目安
国内承認 エイムゲン 初回 2回目 3回目 3~5年後
未承認 AVAXIM 初回 追加接種 10~15年後
未承認 Havrix 初回 追加接種 10~15年後
未承認 Twinrix 初回 2回目 3回目 15~20年後
未承認 Twinrix迅速接種 初回 2回目 3回目 4回目 15~20年後

お気軽にお問い合わせください。03-5456-6282診療時間 午前10時-14時 / 午後16時-19時[水・土休診]
※金曜は21時まで診療

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